井戸からせっせとひたすらに
水を与え続ける哀れな女性
目の前の愛しい者しか見えず
せっせせっせと脇目も触れず
ひたすらに水を与え続けました
与えられた植物はぐんぐんと育ち
いつしかその女性の背丈ほどになり
あっという間に女性は取り囲まれ
全く何も見えなくなってしまいました。
愛しい我が子の顔さえ愛でることも
出来なくなりました。
周りは閉鎖され
ひとりぼっちになってしまったのです。
愛するがゆえに
盲目になり
与えることが
守ること
育てることと思い込んでしまったのです。
水がなくては生きていけないし
与えられなければ
私たちは枯れてしまう
けれど
足下だけしか見えず
そこにだけ水を与えて満足して
与えて育てたつもりになって
自己欺瞞に気が付かない
与えることは素晴らしいこと
けれど
どのようにしてそれを勝ち取ったのか
いずれ
考えなくてはならないときが必ず来るので
その時までは神はそっと様子をみるのです。
誰が悪いとか
何が悪いとか
人は物事の良し悪しを決める癖があるけれど
人を攻撃してはいけないし
人を悲しませないように
丸く納められたら
その人は。遠くの花にも水を与えられた人。
神様はそう申される。
自分の子だけが
良ければいいを止めて
もっと多くに与えられたら
その人は本当の女神だと
私はそう思うのです。