光明

小さな頃は

 

あらゆるものが

 

光のように

 

見えていたね

忘れたわけではないのだけれど

時間に追われて

 

大切な時間を自ら

 

作らなくなってしまって

 

もうどれほど経つのかな

元気の源は

何をみて

何を感じて過ごすかだから

一つひとつに思いを傾けて時間をすごして

そんな日が

 

1日1回あっていいと思うよ。

 

(チベットの祈願文から)

バドルの祈り  尊き宝の輪

 

ア・オーム・フーム

 

この人生、このバドルのさなかにあるいまこのとき

人は、自らの心に目覚めず

惑いの行為によって気をまぎらわし

無常と死に想いを巡らすこともなく

今生のゴールだけを追い求める

生まれること、死ぬこと、老いること、病むことの苦しみに縛られたまま

 

この幻想としての肉体が突然最後の病に襲われるとき

事象への執着、いっさいの心のとらわれから

自由になれますよう

師よ、あなたの慈悲によって、私に加持をお授けください

このバドルの幻影を断ち切ることができますように

加持をお授けください

 

母なる「空性」とその息子「明知」とが

再び私の内で結ばれますよう、加持をお授けください

 

 

その後、死の直前のバドルにあっては

愛するものや親戚に囲まれていたとしても

人は、別の次元へとただ1人で旅立つ

この幻としての肉体の四つの元素が溶け始めれば

一瞬たりとも命を延ばすことはできない

 

師よ、あなたの慈悲によって私に加持をお授けください

このバドルの幻影を断ち切ることができますように

加持をお授けください

 

母なる「空性」とその息子「明知」とが再び結ばれますよう、

加持をお授けください

 

地のエネルギーが水に溶け入るとき

人は、肉体が押し止めようもなく崩れてゆく感覚に襲われる

そのとき煙のようにたなびく幻影と陽炎が立ちのぼる

自らに内在する黄色の光が突然あらわれるとき

その光はサンワ・ランジュンの神聖な顕現

すなわち自性の光明だと認識できますよう

師よ、あなたの慈悲によって加持をお授けください

このバドルの幻影を断ち切ることができますように

加持をお授けください

 

母なる「空性」とその息子「明知」とが再び結ばれますよう、

加持をお授けください

 

水のエネルギーが火に溶け入るとき

肉体は青ざめ、喉は渇き、舌はかさつく 

そのとき洪水のイメージがあふれかえる

水の元素が青い光となってあらわれるとき

その光をギャワ・ドンドップの神聖なる顕現

すなわち大衆の完成として認識できますよう

師よ、あなたの慈悲によって加持をお授けください

このバドルの幻影を断ち切ることができますように

加持をお授けください

 

母なる「空性」とその息子「明知」とが再び結ばれますよう、

加持をお授けください

 

火のエネルギーが風に溶け入るとき

肉体は冷たくなり脈管はもはや存続しえない

そのとき人は蛍のような幻影を見る

自らに内在する赤い光が立ちのぼるとき

その光を聖なるチェタック・ゴメ

すなわち実体もなく境界もないあらわれとして

認識することができますよう

師よ、あなたの慈悲によって加持をお授けください

 

このバドルの幻影を断ち切ることができますように

加持をお授けください

 

母なる「空性」とその息子「明知」とが再び結ばれますよう、

加持をお授けください

 

風のエネルギーが意識に溶け入るとき

呼吸は止まり、両眼は巻きあがる

そのとき人は灯明が消えゆくような幻影を見る

 

自らに内在する緑色の光が立ちのぼるとき

その光を聖なるゲラ・ガルチュン

すなわち舞い続けるエネルギーの豊饒なあらわれとして

認識できますよう

 師よ、あなたの慈悲によって加持をお授けください

このバドルの幻影を断ち切ることができますように

加持をお授けください

 

母なる「空性」とその息子「明知」とが

再び結ばれますよう、加持をお授けください

 

意識があらゆるものの源へと溶けてゆくとき

 

内なる感覚器は働きをやめ、すべての感覚は滅する

 

そのとき雲ひとつない青空のようなヴィジョンが広がる

 

光明のバドルが立ちあらわれるとき

これをクナン・チャプパ

すなわちいっさいのヴィジョンに光が満ち満ちた状態と

認識できますよう

師よ、あなたの慈悲によって加持をお授けください

このバドルの幻影を断ち切ることができますように

加持をお授けください

 

母なる「空性」とその息子「明知」とが

再び結ばれますよう、加持をお授けください

 

六識とそれぞれの六つの対象が心臓に溶け入り

暗闇に閉ざされて血の雨が血の潮に満ち

すさまじい音が響き圧倒的な光が立ちあらわれるとき

いっさいのあらわれは幻だと認識できますよう

生得の明知が自ずと立ちあらわされるさなかに

悟りを得ることができますように加持をお授けください

母なる「空性」とその息子「明知」とが再び結ばれますよう、

加持をお授けください

 

意識がみなし児のようによろどころもなく残され

別の次元に棲む恐怖の死神が現出し

惑わんばかりの音、光、輝きが満ちあふれるとき

これらを自らの内から生じた自性のエネルギーだと悟り

このバドルの状態のさなかで解脱することができますよう

師よ、あなたの慈悲によって加持をお授けください

このバドルの幻影を断ち切ることができますように

加持をお授けください

 

母なる「空性」とその息子「明知」とが結ばれますよう

加持をお授けください

 

すべての現象は幻だと認識できますよう

下位の界へ生まれ変わることがないよう

三世の本質は同じだと悟ることができますよう

仏陀の三身を得ることができますよう

五智を達成することができますよう

数限りない衆生を助けることができますよう

加持をお授けください

 

師よ、あなたの慈悲によって加持をお授けください

このバドルの幻影を断ち切ることができますように

加持をお授けください

母なる「空性」とその息子「明知」とが

再び結ばれますよう、加持をお授けください 

*これはチベットの「宝の花輪の祈願文」より

*母なる「空性」とその息子「明知」

 

     空性は自然の光明と不分離にして

     すべての顕現の源ゆえ

     ここでは母と呼ばれる。

     修行により光明を知る者は、死に際して覚醒の意識の中で

     すぐさま自然の光明をとらえ、まるで母に出会った息子が

     即座に母を認識し駆け寄っていくように、

     母なる空性と一体となる。

     これを「母の光明と息子の光明が出合う」という。

 

          **肉体の四つの元素

 

       肉は地の元素に 血液などの水分は水の元素に、

       人体の熱は火の元素に、体内の風は風の元素に、と

       順番に溶けていくことを示す

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